第31回腎移植・血管外科研究会

当番世話人挨拶

第31回腎移植・血管外科研究会
当番世話人 八木澤 隆
自治医科大学 腎泌尿器外科学講座 腎臓外科学部門 教授

先端医療の地域実践

 このたび、第31回腎移植・血管外科研究会を主催させていただくことになりました。個人にとりましても当部門にとりましても大変光栄なことであり、有益な研究会となりますよう準備を進めております。
 会期は2015年7月10日(金曜日)、11日(土曜日)の2日間で、会場は栃木県日光市にあります日光東照宮境内の客殿、また隣接するホテル(日光千姫物語)としました。世界文化遺産の中で先端の医療を大いに語り合っていただきたいと願っています。
 本研究会は腎移植に加え、血管外科の領域を先導する研究会として1988年に設立されました。現在までに四半世紀が経過しておりますがこの間、この領域の臨床、研究は大きく進歩、展開してきております。腎移植においては多方面で適応が拡大され、地域差はあるものの全国ほぼどこでも実施されるようになりました。まさに先端医療が地域実践されています。また血管外科の領域も大きく変貌しています。鏡視下の血管処理や手術が標準化され、新しい画像解析を用いた術前、術中評価やシミュレーション、またロボット支援による血管外科手術も普及してきております。
 自治医科大学は地域医療に貢献する人材の育成とこれを通じて地域の発展を図ることを大きなミッションとしております。そこで今大会のテーマは「先端医療の地域実践」とさせていただきました。本研究会が担う先端医療が各地域でどのように実践され、また今後どのように展開されてゆくのかなどについても忌憚のない意見交換ができる会にしたいと考えています。
 これらを念頭にプログラムを構成いたしました。特別講演には鏡視下のドナー腎採取術を世界で初めて試み、普及に貢献したColumbia大学のLloyd E. Ratner教授、また米国から日本へ研究の場を移されたKlotho遺伝子発見者の自治医科大学 黒尾 誠 教授をお招きします。教育講演では自治医科大学 安達 秀雄 教授より心臓血管外科領域の最近の進歩についてご紹介いただきます。また生体腎ドナーの評価やフォローに携わる腎臓内科の両角 國男、武藤 重明、両教授よりドナーガイドラインと診療の実際、ドナーの予後などについてご講演をいただきます。このほか3題のシンポジウム、2種のセミナー、また教育企画を行います。これらのプログラムから発信される新しい知見と情報、そして一般演題での討論が今後の診療、研究に役立ちますことを切に願っております。
 会期は日光のベストシーズンに当たります。緑多い東照宮、そして世界遺産の中で皆様とともに学問、また避暑ができますことを楽しみにしております。「日光を見ずして結構と言うなかれ」、是非この機会に日光を散策されてみてはいかがでしょうか。皆様のご参集を心より歓迎いたします。

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