日本女腎臓病医の会 FSWN

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代表世話人ご挨拶

日本女性腎臓病医の会(Japanese Society of Women Nephrologist: JSWN)
のこれまでと、これからに向けて

 この度、本会の代表世話人に就任いたしました武曾惠理(むそう えり)です。
前任の湯村和子先生よりバトンをいただきました。

 この会の発足は2003年にさかのぼり、改訂男女雇用機会均等法が成立した1999年のあと、医学界では早い時期に、腎臓分野に特化した女性医師の抱える諸問題に対して声を上げることが必要と、初代代表世話人である当時の虎の門病院腎臓センター部長原茂子先生のもと有志が集まって第一回の総会を開きました。女性腎臓医師として,研究や臨床での様々な場所で「出産・育児の壁」、「ガラスの天井」など多くの問題があることを、日本各地から先生方が集まり改めて認識しあうことが出来ました。またこれらの状況を切り拓いてキャリアアップしている先生の体験を直接きくことで、力をもらう貴重な機会でもありました。

 2005年に日本腎臓学会への働きかけを行い、日本腎臓学会男女共同参画委員会が発足し、委員長としてその設立に関わりましたが、そのきっかけは、発足後のJSWNにおける総会での、会員同士や特別講演の先生方との交流によるもので、委員メンバーにもJSWNから多くの先生が参加しました。

 その後世間では、医学界のみならず男女共同参画活動は広く行き渡ってきており、問題点の集約はなされ、様々な改革もされてきているようですが、某医科大学での入学試験における女性差別の顕在化、世界におけるジェンダーギャップ指数の我が国の低迷など、まだまだ道通しというのも現実です。

 医学界の中でも腎臓医療にたずさわる女性医師は,比較的その活動スタイルのバラエティーがあり、人生の様々な局面で,フレキシブルにキャリアをすすめていくことの可能性は高いと思われます。しかし、どのような分野でも、まだまだ困難はあり、少数派であることもあり、場合によっては孤立して立ち往生することもしばしばみられます。そのようなとき、女性同士での忌憚のない交流や相互の支援体制は男女共同参画活動とはまた異なった役割があり貴重です。JSWNでは,日本全国での地域に根ざした女性腎臓医のコミュニティーを尊重し、さらにこれを全国から持ち寄って一堂に会して,交流、勉強の機会をもつことで、困難を乗り越えていける場を共有するべく活動を続けて来ました。

 活動の中心は、従来は年に一度の皆が集まる総会での意見交流と地域活動の報告でしたが、さらに2014年からは、若手女性研究者への研究奨励賞制度を発足し、現実には後回しにされる傾向のある女性研究者の顕英を特化して行い、その研究キャリアに受賞を加えていただけるようになりました。

 今後も、女性腎臓医同士の交流と組織を維持,発展することによるガバナンス力の向上など自己啓発で活力を押し上げ、一般市民の方にも女性腎臓医ならではの情報発信を行うことも含めて、豊かな腎臓病医療の実現に貢献したいと考えています。

 もとより、これらは我々の自助努力のみでは不十分で、多くの方々の支えやご指導が必要です。何卒我々の活動にご支援をよろしくお願いいたします。

令和元年5月

日本女性腎臓病医の会 代表世話人
武曾惠理
日本女性腎臓医の会 代表世話人 武曾惠理